メルセデス・ベンツの故障と故障事例

メルセデス・ベンツは日本でも人気のあるドイツの高級車メーカーです。

人生で一度は所有してみたいですよね。

でも、輸入車だから故障が多いと聞くし、修理費用も高くなりそうで不安なことから買う勇気が出ない人が大勢います。

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そこで、当記事ではベンツの故障率、故障事例、修理費用など気になることを詳しく調査しました!故障の心配なく安心に乗る方法もまとめたので、ぜひ参考にしてください

メルセデス・ベンツの故障率(故障頻度)は?

ベンツの故障率(故障頻度)について、他社と比較して見ていきましょう。

まずは市場調査会社のJ.D.パワーが公表している自動車初期品質調査という、新車購入から約1年間の不具合件数をメーカー別にまとめた調査結果を紹介します。

不具合件数は各メーカー100台当たりの数値として集計されたもので、数値が低いほど壊れにくいメーカーです。

自動車初期品質調査はJ.D.パワーが公平な第三者機関として車を購入したユーザーを対象に調査を行っていることから、信頼性の高いデータなのでベンツを検討しているなら必見です。

不具合指摘件数は内外装、エンジン、トランスミッションなど以下の計8分野223項目を合わせて集計しています。

  1. 外装
  2. 内装
  3. シート
  4. 空調(エアコン)
  5. 走行性能
  6. 装備品/コントロール/ディスプレイ
  7. オーディオ/ナビゲーション
  8. エンジン/トランスミッション
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あなたに多くのことを知ってもらうために、日本のみならずドイツとアメリカの調査結果もまとめました。

日本での故障率

日本で自動車を販売している15メーカーを対象に行われた、2020年・日本自動車初期品質調査(IQS)の結果を見ていきましょう。

不具合指摘件数(故障)が少ないメーカー順に並んでいます。

順位 メーカー 不具合指摘件数
1 ホンダ 51
2 日産 53
3 ダイハツ 56
4 レクサス 60
業界平均 60
5 マツダ 61
6 スズキ 62
7 トヨタ 62
8 スバル 63
9 アウディ 72
10 MINI 74
11 三菱 74
12 ボルボ 99
13 メルセデス・ベンツ 103
14 BMW 105
15 フォルクスワーゲン 107

出典:2020年日本自動車初期品質調査(IQS) | J.D. POWER

1位から7位までを国産メーカーが占めており、イメージ通り日本車は壊れにくくて頑丈なことが結果を見て分かりますね。

そして、肝心のベンツは15メーカー中で13位という結果です。

ただし、14位にBMWで15位にフォルクスワーゲンですから、日本車が優秀すぎるという味方もできます。

ドイツでの故障率

メルセデス・ベンツが本社を置くドイツでの結果はこちら!

日本では調査対象に入ってなかったメーカーも含まれています。

順位 メーカー 不具合指摘件数
1 三菱 85
2 シュコダ 88
3 ヒュンダイ 89
4 スマート 90
5 起亜 95
6 フォード 98
7 セアト 99
8 トヨタ 101
9 ダチア 102
10 オペル 108
11 フォルクスワーゲン 109
12 ボルボ 111
13 マツダ 114
業界平均値 115
14 日産 118
15 プジョー 119
16 ルノー 120
17 BMW 129
18 シトロエン 135
19 メルセデス・ベンツ 137
20 アウディ 142
21 フィアット 152
22 MINI 166

出典:2019 Germany Vehicle Dependability Study | J.D. POWER

ドイツでは1位三菱、2位チェコのシュコダ、3位韓国のヒュンダイと意外なメーカーがトップ3を占めました。

ただ、ベンツは22メーカー中19位と下位に沈んでいます、、、

ライバルのBMWは17位、アウディは20位なので、以外にもドイツの調査はドイツメーカーに厳しい結果になりました。

アメリカでの故障率

自動車大国アメリカの結果も見ていきましょう。

アメリカでは32のメーカーを対象に調査が行われました。

順位 メーカー 不具合件数
1 ジェネシス 89
2 レクサス 100
3 ビュイック 103
4 ポルシェ 104
5 トヨタ 113
6 フォルクスワーゲン 116
7 リンカーン 119
8 BMW 123
9 シボレー 123
10 フォード 126
11 マツダ 130
12 キャデラック 131
13 ヒュンダイ 132
14 起亜 132
業界平均値 134
15 アウディ 136
16 日産 136
17 アキュラ 139
18 ホンダ 139
19 ラム 140
20 三菱 146
21 ミニ 147
22 メルセデス・ベンツ 152
23 スバル 154
24 インフィニティ 155
25 ダッジ 158
26 ジープ 159
27 フィアット 160
28 GMC 162
29 ボルボ 185
30 ジャガー 186
31 クライスラー 214
32 ランドローバー 220

出典:2020 U.S. Vehicle Dependability Study | J.D. Power

アメリカではヒュンダイの高級車ブランド”ジェネシス”が1位、日本のレクサスが2位、ゼネラルモーターズのビュイックが3位です。

そして、ベンツは32メーカー中の22位と下位に位置しており、信頼性が高いとは言えない結果に終わりました。

ライバルのBMW、アウディと比較

ベンツに興味を持っている方はBMWとアウディも気になりますよねね?

そこで、ドイツ御三家(ジャーマンスリー)に絞って故障率の結果をまとめたのでご覧ください。

ベンツ BMW アウディ
日本 13位 14位 9位
ドイツ 19位 17位 20位
アメリカ 22位 8位 15位

この表を見て分かるように3つのメーカーは、故障率で見るとそれほど大きな差があるわけではありません。

メルセデス・ベンツの故障率が高い理由

各国での調査結果では、お世辞にも信頼性が高いとは言えないメルセデス・ベンツですが、生産工場の品質管理が悪い訳でも、エンジニアや開発者のレベルが低い訳でもありません。

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では、いったいなぜ故障率が高いのでしょうか?その理由について解説をします。

MBUXやディストロニック・プラスなど最新技術を採用しているから

ベンツのmbux

ベンツは「ハイ、メルセデス!」でお馴染みの対話型インフォテインメントシステム「MBUX」や自動運転をサポートする「ディストロニック・プラス」など、他社では開発段階の最新テクノロジーを、次々と市販車に採用しています。

これはベンツの良いところですが、初期不良や動作の不具合が多くなる原因になっています。

最新技術は何度もテストを繰り返したうえで市販車に採用していますが、やはり実際にユーザーが使用しないと発見できない不具合ってありますからね。

今では使いやすくなったCOMMAND Touchも採用当初は、使い勝手が悪くて不具合も多くて不評でした。

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その他にもフラッグシップのSクラスでディーゼル+モーターを組み合わせたハイブリッド車を発売するなど、革新的な挑戦をしていますよね。

AクラスでもSクラスと同等の装備を採用しているから

ベンツの装備

ベンツでは価格が安いAクラスからフラッグシップのSクラスまで、ほぼ同等の装備を採用しています。

例えばMBUXはSクラスよりも先にAクラスに採用されました。

これはユーザーにとっては有り難いメリットですが、装備が多いゆえに故障する箇所が多いデメリットもあります。

他のメーカーだとエントリーモデルには必要最低限の装備しか付いていないので、故障する箇所が少なくなり必然的に故障率も下がるんですけどね。

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特に国産車って100万円台で変える車種は本当に装備が少ないですから、壊れにくくて当たり前なんです。

日本の道路環境や気候に合ってないから

ドイツ車にとって日本の気候は過酷な環境

ベンツなどドイツ車が日本で壊れやすいのは、日本向けに開発されているわけじゃないからです。

日本の信号や渋滞が多くてストップ&ゴーを繰り返す道路環境や、夏は高温多湿で冬は雪が降るほど寒くなる気候はドイツ車にとっては過酷な環境。

ドイツは日本に比べると気温が低くて降水量も少ないので、車にとっては故障しにくい環境ですからね。

例えばゴム・樹脂・プラスチックなどを素材にした部品は国産車だと耐久温度を100度で作られていますが、ドイツ車だと70度で作られていることがあります。

耐久温度が違うということは品質や寿命にも違いがあるわけで、35度以上の猛暑日が続く日本の夏に耐えられるように作られた国産車のほうが信頼性は高くなりますよね。

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できるだけ長く維持したいなら、青空駐車ではなく車庫や屋根付きのカーポートに駐車しましょう!

ベンツの故障事例と修理費用

故障して煙をあげるベンツ

ベンツのよくある故障事例と修理費用の相場をまとめました。

あらかじめ購入前に知っておくと、万が一壊れたときでも冷静に対処できますよ!

Aクラス・デジタルメーターが映らない

aクラスのインテリア

ベンツはエントリーモデルのAクラスでもアナログメーターを廃止して大型液晶ディプレイによるデジタルメーターを採用しています。

視認性とデザイン性から高い評価を受けていますが、問題点としては壊れたときです!

スピードメーターやタコメーターなど車両情報を表示するディプレイが壊れてしまうと、運転に大きな支障をきたしますからね。

エンジンをかけても液晶が真っ黒で表示されないときは、すぐディーラーに持っていきましょう!

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壊れてなくても液晶のドット抜けなど少しでも気になるところがあるなら、ディーラーで新品に交換してもらうのがおすすめ!保証期間内なら無償で対応してくれますからね!

修理費用の相場
  • デジタルメーターの価格:30万~50万円
  • 作業工賃:約5万円

Bクラス・エンジンマウントの消耗

エンジンマウントは車体にエンジンを固定するための部品で主に金属とゴムから構成されており、経年劣化すると固定する力が弱くなり車体の振動が大きくなります。

走行中にボンネットからカタカタと異音がしたら、エンジンマウントが原因だと疑いましょう。

エンジンマウントは消耗品なので、ディーラーに持っていけば1時間ぐらいで修理は終わります。

修理費用の相場
  • エンジンマウント:1個で約5000円
  • 作業工賃:3万~5万円

Cクラス・バックアップバッテリー故障の表示

cクラス・バックアップバッテリー故障
出典:メルセデスベンツ Cクラス(W205) バックアップバッテリー 故障表示

Cクラスには助手席の足元にバックアップ用のバッテリーが付いていますが、年数が経過して電圧が低下するとインフォメーションディスプレイに「バックアップバッテリー故障」と表示されます。

バックアップバッテリーはメインのバッテリーと違って、点検では消耗具合などを調べることが難しいので突然ダメになるケースがほとんど!

初めて表示されるとビックリしますが、ベンツあるあるなので慌てずにディーラーの整備工場に入庫しましょう。

修理費用の相場
  • バックアップバッテリーのパーツ代:約2万円
  • 故障診断コネクタ(OBD2)、テスターによる原因調査代:約5千円

Eクラス・アンビエントライトが点灯しない

eクラスのアンビエントライト

ベンツの魅力といえば豪華内装に光り輝くアンビエントライト(間接照明)ですが、稀に点灯しないことがあります。

光源はLEDなので球切れしないで10年以上は持つはずなんですが、やはり電気系統なので回路がショートするなどの故障は避けられません。

修理費用の相場
  • アンビエントライトの交換:10万~30万円
  • ヒューズや配線の交換;1万~3万円

Sクラス・エアサスが動作しない

sクラス

SクラスやGLSなどのフラッグシップモデルの足回りには、連続可変ダンパーとエアサスペンションを組み合わせており極上の滑らかな乗り心地を実現していますが、やはりエアサスなので故障するのは覚悟しておきましょう。

エアサスが壊れると車高が下がって戻らなくなり、少しの段差でも車体のバンパーや底を擦ってしまうので走行不能になります。

たまにレッカー車に積まれたSクラスを見かけますが、ほとんどの場合でエアサスの故障が原因です。

修理費用の相場
  • エアサス:一輪あたり約20~30万円
  • 工賃:一輪あたり約3万円

Gクラス・ドアロックが動作しない

gクラス

モコノックボディで頑丈なGクラスですが、ドアの作りが独特なためモーターやドアロックポンプの故障が多い欠点があります。

ドアが解錠できない、ドアにロックができない、集中ドアロックが動作しないなど様々な事例が報告されています。

バンッ!と力任せにドアを閉めると壊れやすくなるので、Gクラスのドアは最後まで手を添えて優しく閉めてください。

無骨な見た目のGクラスですが、とてもデリケートなんです。

修理費用の相場
  • モーターの交換:約5万円
  • ドアロックポンプの交換:約20万円

SLC・ドアウインドウが落ちて上がらない

ベンツのslc

SLCでは窓枠のないサッシュレスドアを採用しています。

普段ドアノブではなく上部の窓枠を押してドアを閉める人が、サッシュレスドアの車に乗るとドアウインドウ(ガラス)を押してドアを閉める恐れがあるので、あらかじめ注意しておきましょう。

流石に割れることはありませんが、ドアウインドウを通じてドアの動きを制御するレギュレーター&モーターに余計な力が加わり、ドアウインドウが落ちて上がらなくなることがあります。

窓落ちは外車あるあるなのでディーラーに持っていけば簡単になおりますが、お金と時間は掛かるのでGクラスと同じくきちんとドアノブを持って優しく閉めることを心がけてください。

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窓落ちの修理費用は3万円~5万円程度です。

ベンツをトラブルの心配なく安心して乗り続ける方法

故障が多いアバルトですが、できる限りトラブルの心配なく安心して維持する方法を解説します。

新車購入時にメルセデス・ケアの保証プラスに加入する

メルセデス・ケアの保証プラス
出典:メルセデス・ケアの保証プラス

ベンツの新車保証は新車登録から3年間です。

エンジン/トランスミッション/エアコン/パワーウインドウなどに不具合が見つかっても、無償で修理をしてくれるので3年間は安心して乗ることができます。

ただ、初回の車検を通して4年目・5年目も乗り続ける予定なら、有償になりますが新車購入時にメルセデス・ケアの保証プラスという延長保証に加入しましょう。

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新車保証3年と延長保証2年を合わせて5年間は保証があるので、万が一壊れてもディーラーに持っていけば無償で直るので安心です。

中古車はメルセデス・ベンツ サーティファイドカー(認定中古車)から選ぼう

ベンツの認定中古車

Aクラスのベースグレードでも新車だと諸経費やオプションを含めて400万円は必要になるので、中古車を検討している人も多いはず。

でも、壊れやすいベンツを中古で買うのって不安ですよね?

そこで、おすすめなのが正規ディーラーの厳しい基準をクリアしたメルセデス・ベンツ サーティファイドカーという認定中古車です!

認定中古車の特徴とメリット
  • 新車登録から3年以内
  • 走行距離6万km未満
  • 修復歴なし
  • 24時間サポートのロードサービス対応
  • 約100項目の検査をクリア
  • 保証付き

中古車でありながら走行距離無制限で最大2年間の保証が付くのが、最大のメリットと言えるでしょう。

厳しい認定条件があるので台数は少ないですが、全国47都道府県から取り寄せることができるので、気になる車両があるなら近くの正規ディーラーで営業マンに問い合わせてみましょう。

ディーラー以外で購入するときの注意点

ディーラーではなく町の中古車販売店や外車を幅広く扱う自動車販売店で買うときは、必ず保証内容や期間を確認してください。

お店によっては購入してから3ヶ月しか保証が付かないのに、1年保証だと思いこんで買った人が痛い目にあうケースが多々あります。

あと、契約書にサインする前に各パーツの劣化具合や交換時期について自ら確認することも忘れてはいけません。

でも、素人では分からないこともあるので、あなたが納得がいくまでスタッフに説明してもらいましょう。

確認するべきパーツ
  • タイミングベルト/タイミングチェーン
  • スパークプラグ
  • バッテリー
  • 各種オイル
  • タイヤの溝

その他にも、年式・グレード・整備歴などを確認してください!

もし、あなたが質問をしてお店の人が嫌そうな顔をしたら、あなたに言いたくない理由があるはずなので購入を見送りましょう。

信頼できるショップから買わないと、あとで痛い目にあうのはあなたですからね!

購入前に確認するべきことのまとめ
  • 年式やグレード
  • 整備歴・点検簿は残っているのか
  • 前オーナーはどのような使い方をしていたのか
  • コーディングで変更された点
  • 購入後のアフターサービス

まとめ

ベンツは最先端の技術や電子デバイスが多数装備されている反面で故障も多くなりますが、新車で買えば3年保証が付きますし認定中古車は2年保証が付きます。

保証期間内なら壊れてもディーラーで専門のメカニックが無償修理してくれるので、必要以上に故障を心配する必要はありません。

少しでも興味があるなら、まず試乗をしてアバルトのよさを体感してください!

  • 高級感のあるインテリア
  • 優美なエクステリア
  • 乗り心地の良さ
  • 所有感を満たしてくれるステータス

これらの魅力は実際に運転しないと分かりませんし、他のメーカーでは味わえない喜びがあります。

質実剛健かつラグジュアリーなベンツを所有したいなら、ぜひ近くのヤナセやシュテルンのディーラーを訪れてみましょう!