アルファロメオ159はDセグメントに属する高級セダンで、イタリア車らしいデザインとアルファサウンドと呼ばれる独特のエンジン音が魅力です。
ただ、イタリア車なので故障が心配な方も多いはず。
そこで、今回はアルファロメオ159でよくある故障事例と修理費用をまとめました。
故障したときの対処方法や長く乗るコツも紹介しているので、購入を検討しているならぜひ参考にして下さい。
アルファロメオ159の故障事例と修理費用
まずは、故障事例と修理費用をまとめました。
アルファロメオ159では「セレスピードの動作不具合」、「クラッチの滑り」、「燃料ポンプのひび割れ」がよくある故障です。
セレスピードの動作不具合
アルファロメオ159は2.2LのJTSエンジンにセミ6速ATのセレスピードを採用しています。
ほぼMTと同じ変速方式ですがクラッチの操作は、コンピューター制御されておりドライバーが行う必要はありません。
エネルギーの伝達効率もよく優れたトランスミッションですが、弱点として壊れやすいことが挙げられます。
クラッチを動かすアクチュエーターが壊れやすいので、変速できないなどの動作不具合が多発します。
ギアが入りにくい、変速が遅いなどの症状が見られるようになったら、すぐ整備士に見てもらいましょう。
- セレスピード一式の交換:20万~30万円
- アクチュエーターの交換:5万~8万
クラッチの滑り
アルファロメオ159はセレスピードの他に6速MTもラインナップされていますが、クラッチの消耗は国産車よりも早めです。
発進がギクシャクするなどクラッチ操作が今までのようにできなくなったときは、クラッチの消耗が疑われるので早めに点検してもらうのがおすすめ。
完全に駄目になってしまってからでは遅いですからね。
修理費用はクラッチディスク、プレッシャープレート、レリーズベアリングなどを含めて約15万~20万円です。
燃料ポンプのひび割れ
アルファロメオ159のあるあると言えば燃料ポンプのひび割れです。
樹脂製のポンプなので経年劣化により亀裂が入りやすく、ハイオクが染み出てきます。
車内がガソリン臭くなったときは、真っ先に燃料ポンプのひび割れを疑いましょう。
修理費用は約3万円です。
パワーウインドウのレギュレーター
パワーウインドウが落ちてしまいスイッチを押しても上がらないときは、内部のレギュレーターが壊れています。
手で無理やり引っ張るとガラスが割れて怪我をするなどの危険があるので、早めにディーラーに電話をして修理をしてもらいましょう。
アルファロメオなどの輸入車ではよくある故障なので、慌てずに対処して下さいね。
修理費用は約3万円です。
エアコンの効きが弱い
イタリア車に共通することですがエアコンの効きが弱めです。
特に気温が35℃を超える猛暑日のときは設定温度をできる限り下げて、風量最大にしないと車内が冷えません。
ただ、エアコンガスの補充やフィルター交換など適切なメンテナンスを定期的に行えば改善されるので、忘れないようにしましょう。
- エアコンガスの補充:5000円~10000円
- フィルター交換:5000円~10000円
内装のベタつき
内装のベタつきもイタリア車に共通しています。
新車のときはソフトな手触りで高級感もありますが、経年劣化でベトべトしてくるので触るたび不快になりますよね。
青空駐車で車内が高温になるとベトつきが早くなるので、直射日光を避けられる車庫での保管がベスト。
車庫がないときはサンシェードなどを利用して、できるだけ車内の温度を冷ます工夫をしましょう。
内装のベタつきはイタリア車専門店に頼めば、綺麗にしてくれますが費用はショップにより大きく異なります。
アルファロメオ159のリコール情報
国土交通省に届けられたリコールは1件のみで、対象車両は2007年1月10日から2008年3月26日に輸入された772台です。
ブレーキの効きが弱くなる
リコール情報の詳細は消費者庁のサイトで公表されています。
■基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
自動変速機仕様車(AT車)の制動装置において、バキューム能力が不足しているため、ブレーキ操作を頻繁におこなうと、ブレーキアシスト力が低下し、最悪の場合、制動停止距離が伸びるおそれがある。
分かりやすく言うと、ブレーキに不具合があり車が停止するまでの距離が長くなります。
ブレーキの効きが弱いと感じたきは、もしかしたらリコール対象車両かもしれないので、すぐディーラーに問い合わせて下さい。
アルファロメオ159が壊れたときの対処方法
壊れたり違和感を感じたりしたときの対処方法を紹介します。
不具合があるのに走行を続けてしまうと、重大な故障に繋がるので適切に対処することが大切です。
ディーラーに連絡をする
ディーラーで購入した車両なら、まずはディーラーまたは担当の営業マンに連絡しましょう。
適切な対処方法を教えてくれますし、レッカー手配なども行ってくれます。
修理費用は高めですが、熟練のメカニックが純正パーツを使い丁寧に直してくれるので、安心安全に任せることができます。
修理業者・整備工場に持ち込む
修理費用を安く抑えたいなら街の修理業者・整備工場に持ち込むのがおすすめ。
バッテリーのトラブルやブレーキパッドの交換など、よくあるトラブルならディーラーじゃなくても直してくれますからね。
ただし、セレスピードの変速不良やフューエルポンプからの燃料漏れなど、アルファロメオ159特有の故障だと原因すら特定できない場合があります。
今まで経験したことのないトラブルの場合は、ディーラーに電話しましょう。
アルファロメオ159を中古で買うときの注意点
159は2012年に生産終了しているため、新車を購入することはできません。
中古車から選ぶことになりますが、その際に知っておきたいことや注意点をまとめました。
正規ディーラーで販売されている個体を買う
先程も言ったように2012年に生産終了しているため、新車と同等の保証内容が付く認定中古車の条件から外れています。
認定中古車は、新車登録7年以内もしくは走行距離8万km未満の車両のみですからね。
それでも、正規ディーラーから買えばアフターサービスをきっちり行ってくれますし、古い車だからといって冷たい対応をされる心配はありません。
159がはじめての輸入車もしくはイタリア車になるなら、正規ディーラーで販売されている中古車を探しましょう。
バッテリーやタイヤの交換時期を確認する
バッテリーやタイヤなど消耗品の交換時期を確認しておかないと、納車後にすぐ交換が必要になるかもしれません。
購入を決める前に主な消耗品について、あらかじめチェックしておきましょう。
納車前にまとめて交換しておけば、しばらくは安心して乗ることができますし、工賃無料や値引きなどのサービスも受けることができます。
- エンジンオイル
- エンジンオイルフィルター
- ブレーキフルード(ブレーキオイル)
- バッテリー
- ブレーキパッド
- タイヤ
- スパークプラグ
- ワイパーブレード
また、159のセレスピードを購入する場合は、セレオイルの量も確認して下さい。
セレオイルが不足するとセレスピードを構成するアクチュエーターやポンプが故障する原因になります。
分からないときはメカニックに聞けば、丁寧に教えてくれますよ。
保証について確認をする
中古車の保証期間は販売店によって異なりますが、ほとんどの場合で購入後3ヶ月~12ヶ月です。
意外と3ヶ月しか保証がないケースも多いので、契約する前に保証期間を確認することを忘れないで下さい。
また、保証対象箇所についても確認しましょう。
- エンジン
- トランスミッション
- 冷却装置
- 潤滑装置
- 足回り
- 各消耗品
これらの内、どこまでが保証範囲なのかを知っておかないとトラブルの原因になりますからね。
アルファロメオ159を故障・トラブルの心配なく安心して維持する方法
故障が多い159ですが、できる限りトラブルの心配なく安心して維持する方法を解説します。
定期的にメンテナンスを受ける
定期的なオイル交換、法定12ヶ月点検、車検などのメンテナンスを受けることを忘れないでください。
そして、受けるだけではなくメカニックから交換を推奨された部品があるなら、早めに交換しておきましょう。
早めのサイクルで交換を行えば、故障を未然に防ぐことができますからね。
どうしても費用は掛かってしまいますが、159に乗るなら金銭的な余裕は必要です。
イタリア車の専門店を探しておく
全国にはイタリア車の整備やカスタムに特化した専門店があります。
ちょっとした不具合ならディーラーよりも、専門店で見てもらったほうが安上がりですし、気軽に足を運べるメリットもあります。
エンジンチューニング、マフラー交換、エアロの取り付けなどのカスタムにも応じてくれますから、あなたのお住いの地域に専門店がないか探しておきましょう。
- 東京都:GENIO(ジニオ)
- 神奈川県:TEZZO(テッツォ)
- 愛知県:アクトオートサロン
- 京都府:ホリイトレーディング
- 福岡県:テクニカルオートヒグチ
まとめ
159は、映画「007 慰めの報酬」にも採用されるなどジウジアーロによるデザインが高く評価されている車。
いくつかの弱点はありますが、所有感を満たしてくれる車なのは間違いないですし、その他にも数多くの魅力があります。
- 独特のアルファサウンド
- 高いボディ剛性
- 官能的な走り
これらは159でしか味わうことができません!
車をただの移動手段として考える人には向いていませんが、車が大好きでドライブが趣味な方にはピッタリ。
壊れても直すたびに愛着が湧いてきますし、所有して楽しい車であることは間違いないので、ぜひ購入を検討してみましょう!