ルノーはフランスの自動車メーカーで独特のデザインとスポーティーな走りから、日本でも人気を集めており日産の親会社としても有名ですね。
ただルノーの車を買う時に不安なのが故障ですよね?フランス車って壊れやすいイメージがあるので心配な方が多いはず。
そこで実際の故障率と故障事例を紹介するので、購入する前に知っておきたいなら、ぜひご覧ください!
また安心して乗る方法についてもまとめたので、参考にしてくださいね!
ルノーの故障率
フランス車のルノーは一般的に壊れやすいイメージがありますが、実際の所はどうなのでしょうか?
そのことを知るためにアメリカの市場調査会社『J.D.パワー』が公表している自動車初期品質調査という新車購入後から約1年間の不具合件数をブランド別にまとめた調査結果を紹介します!
不具合件数は各メーカー100台当たりの数値として集計されたもので、数値が低いほど壊れにくいメーカーです。
自動車初期品質調査はJ.D.パワーが公平な第三者機関として実際に車を購入したユーザーを対象に調査を行っており、かなり信頼できる結果なのでルノーの購入を検討しているならぜひ参考にしてください!
不具合指摘件数は内外装、エンジン、トランスミッションなど以下の計8分野223項目を合わせて総合的に集計しています。
- 外装
- 内装
- シート
- 空調(エアコン)
- 走行性能
- 装備品/コントロール/ディスプレイ
- オーディオ/ナビゲーション
- エンジン/トランスミッション
J.D.パワーによる各自動車メーカーの故障率はこのような結果になりました!
順位 | メーカー | 不具合件数 |
1 | トヨタ | 101 |
2 | セアト | 103 |
2 | ボルボ | 103 |
3 | シュコダ | 104 |
4 | ヒュンダイ | 105 |
5 | プジョー | 108 |
6 | 日産 | 114 |
7 | ベンツ | 124 |
8 | マツダ | 125 |
8 | スマート | 125 |
9 | 起亜 | 126 |
9 | オペル | 126 |
10 | VW | 128 |
11 | フォード | 129 |
12 | ルノー | 131 |
– | 業界平均値 | 133 |
13 | 三菱 | 134 |
14 | ダチア | 138 |
15 | シトロエン | 155 |
16 | MINI | 161 |
17 | アウディ | 163 |
18 | フィアット | 179 |
19 | BMW | 185 |
Source:2018 Germany Vehicle Dependability Study (VDS)
ルノーの順位は全19メーカー中12位ですがアウディ(17位)やBMW(19位)などドイツを代表するメーカーよりも上位なので、決して壊れやすい車ではないことがお分かりいただけたと思います。
また同じフランス車のプジョーは5位でベンツの7位を上回っており、この結果を見るとフランス車は信頼性に定評のあるドイツ車よりも壊れにくいことが分かりますね。
そして1位のトヨタをはじめとして日本のメーカーが壊れにくいのは、やはり紛れもない事実です。
ルノーが壊れやすいと言われる理由
では、なぜ日本ではルノーが壊れやすいと言われるのでしょうか?
次は、その理由について見ていきましょう!
AL4型ATがよく壊れたから
ルノーをはじめとするフランス車で1997年から2013年まで採用されていたAL4と呼ばれる4速ATは、よく壊れることで有名になりました。
オートマチックなのに1速から2速に変速しない、3速からギアが変わらなくなる、ATフルード内に金属粉が入りやすく内部を傷付けてしまうなどの症状が多発するため、多くのユーザーを悩ませた悪名高いトランスミッション。
AL4のせいで『ルノー=壊れやすい』というイメージが付いたといっても過言ではありません、、、
ただ今のルノーに搭載されているATまたはDCTは日本のアイシンAW製、ドイツのゲトラグ製を採用しているのでトランスミッションが壊れることはまずないので安心してくださいね。
中古車は壊れやすいから
さきほども紹介したように1997年から2013年までに販売されていたルノーの車はAL4を採用しており、この年式に該当する中古車が壊れやすいのは事実です。
その他にもパワーウインドウ、エアコンなどは年式が古いほど壊れやすくなります。
ただ2014年からルノーと日産で部品の共通化を本格的に進めたことにより信頼性が飛躍的に向上したので、中古車を買う場合は2014年以降の個体を選ぶと安心して乗ることができます。
5年落ち以上の中古車を買うときはフランス車を専門で取り扱っている中古車販売店で購入するのがおすすめ!
主要都市のフランス車専門店を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
日本の道路環境や気候に合っていない
ルノーの車は日本向けに開発されているわけじゃないので、日本の信号や渋滞が多い道路環境や夏は高温多湿で冬は雪が降るほど寒くなる寒暖差が大きい気候に適していないからです。
国産車だったら日本向けに開発されていますからね。
特にジメジメした梅雨から日光が降り注ぐ真夏の時期はフランス車にとって過酷な環境です。
例えばゴム・樹脂・プラスチックなどを素材にした部品は国産車だと耐久温度を100度で作られていますが、フランス車だと70度で作られていることがあります。
- 燃料ホース
- エンジンマウント
- ブレーキパイプ
- エアインテーク
夏の気温が日本ほどは上がらないフランスだと耐久温度を100度にする意味は少ないですからね。
耐久温度が違うということは品質や寿命にも違いがあるわけで、35度以上の猛暑日が続く日本の夏に耐えられるように作られた国産車のほうが信頼性は高くなるのは必然です。
ルノーの故障事例
次は実際に起きた故障事例について見ていきましょう。
AL4型ATの動作不良
2000年前後のルノーに乗るならAL4型ATの故障は覚悟しておいたほうがよいでしょう。
そのぐらいよく壊れますからね。
壊れ方は個体によって様々なので動作不良を箇条書きにしてまとめました!
- ギアが変速しない
- ギアが走行中に抜けてしまう
- 異音や振動が大きくなる
- 油圧を制御できなくなる
- ソレノイドバルブが動作しない
- エマージェンシーモードになる
壊れてもディーラーやフランス車に強いメカニックがいる整備工場に持っていけば修理することは可能ですが、やはり走行に大きな影響を及ぼすので納車前にオーバーホールを依頼するのが安心して乗るための秘訣です。
万が一、AL4の動作不良で事故を起こしてしまったら取り返しが付きませんからね!
エンジン警告灯の点灯
フランス車とイタリア車のあるあると言えばメーター内にエンジン警告灯など何かしらの警告灯が付くことですが、エンジンを再始動すると何故か消えちゃうのもあるあるですよね(笑)
イタフラ車のオーナー歴が長いドライバーだと警告灯が点灯しても、どうせ自然に消えるだろう!と気にせず運転を続けしまいがち!
まあ実際問題としてイタフラ車の場合、警告灯が点灯したからといって毎回ディーラーで見てもらうのは大変ですし、気にしないぐらいがいいのかもしれません。
ただ異常があることには間違いないので半年や1年点検のときには警告灯がついたり消えたりすることをメカニックの人に伝えることをお忘れなく!
またエンジンチェックランプついたよ、、、もう5回目だしディーラーできちんと見てもらおう!
パワーウインドウの窓落ち
パワーウインドウの窓落ちはルノーに限らず外車全般でよく起きる故障。
原因のほとんどはパワーウインドウの動作を制御するレギュレーターとモーターの不良なので、部品交換することで簡単になおります。
修理費用はだいたい3万~5万程度が相場です。
初めて窓落ちの故障を経験するとビックリしちゃいますが素人が無理に上げるとガラスが割れるなど危険が伴うのでディーラーの整備工場に持っていき修理してもらいましょう。
ちなみにパワーウインドウはドアを思いっきり力を入れてバンッ!と閉めると壊れやすくなるので、できるだけ手を最後まで添えながら優しい力で締めることを心がけてください。
タイミングベルトの消耗
タイミングベルトは一般的にゴムで作られているため年式が古くなるほど消耗が激しくなり、ときには切れてしまうこともあります。
消耗具合は経過年数と走行距離に比例するので10年落ちまたは走行距離10万km以上の車は、切れる前に交換しておくのがおすすめ!
タイミングベルト自体の部品代は1万円程度ですが、交換するにはエンジンの脱着など工程が複雑なため作業工賃が5万円程度掛かります。
その他にもプーリー、ウォーターポンプも同時に交換することが多いため修理費用は総額10万程度掛かると思ってください。
天井の内装はがれ
国産車ではあまり見られませんが輸入車は天井の内装がはがれ落ちてくることがあります。
この理由は天井と内装をくっつけている接着剤が日本の寒暖差の激しい気候により粘着力が弱まることが原因です。
特に真夏の炎天下で青空駐車をすると車の天井はかなり熱くなりますから、接着剤が溶け出してしまいます。
初めて経験すると焦りますが輸入車あるあるの一つなので、慌てずディーラーに持っていけば修理してくれます。
故障・トラブルの心配なく安心して乗る方法
ルノーに乗りたいけど故障・トラブルが心配な方に向けて安心に乗る方法を紹介します!
国産車感覚で安心に乗りたいなら必見です。
新車を買ったらルノー・エクステンデッドワランティに入ろう
ルノーで新車を買うと『新車登録日より3年間もしくは走行距離6万kmの保証』の保証と『6年間のボディ錆穴』の長期保証が提供されます。
さらに万が一、走行不能になった際は『ルノー・アシスタントサービス』が24時間365日で対応してくれるので、新車購入から3年間は故障の心配をすることなく安心してお乗りいただけます。
ただ、せっかく新車を買ったんだし5年は乗りたいと考えているなら、新車保障を3年から5年に延長できる『ルノー・エクステンデッドワランティ』という延長保証に加入するのがおすすめ!
『ルノー・エクステンデッドワランティ』は有償で車種のクラスやセグメントによって料金は変わりますが、5年乗る予定なら加入しておきましょう。
- トゥインゴ:11,500円
- ルーテシア:125,000円
- カングー:125,000円
- メガーヌ:130,000円
- キャプチャー:130,000円
- カジャー:130,000円
中古車を買うなら認定中古車がおすすめ
ルノーを中古で買うなら正規ディーラーで93項目におよぶ点検・整備を行った認定中古車がおすすめです。
認定中古車は1年保証が付くので、万が一故障しても全国47都道府県のサービス工場で無償修理を受けられますから安心です。
また有償になりますが最大5年間までは保証に入ることができるので、ほぼ新車と同じ感覚で乗ることができちゃいます。
認定中古車は低価格というメリットの他にも、新車同様の品質の高さと正規ディーラーによるアフターサポートを受けられるという付加価値が魅力!
正規ディーラーの保証内容
新車・中古車に関わらずルノージャポン正規ディーラーで購入したときに付く保証内容は以下の通りです。
消耗品を除く、ほぼ全ての部分が保証対象なので安心安全に乗ることができます。
- エンジン
- 点火装置
- ショックアブソーバー
- サスペンション
- ドライブシャフト
- ギアボックス
- ブレーキホース
ディーラー以外で購入するときの注意点
ディーラーじゃなくて様々なメーカーの中古車を取り扱っている販売店や中古車オークションで買うときは、保証内容や期間がお店によって異なるので必ず担当者に確認するのを忘れないでください。
たったの3ヶ月しか保証が付かないのに1年保証と思い込んで購入する人は多いですし、修理費用もお店によって全く異なります。
またタイミングベルト、タイミングチェーン、スパークプラグ、バッテリー、各種オイルなどの消耗品が新品に交換されているかを自ら確認することも忘れないでください。
ただ購入前にチェックしておきたい項目は数えきれないほどあり素人では分からないこともあるので、必ず販売店のスタッフに車両状況について詳しく聞いて購入するかを検討しましょう。
※5年落ちor走行距離50,000km以上の個体は故障リスクが高いので慎重に購入するかの判断をしてください!
- 年式やグレード
- タイヤの確認(残溝や交換時期)
- 整備歴・点検簿は残っているのか
- エンジンオイル、ブレーキオイルの交換時期や残量
- 前オーナーはどのような使い方をしていたのか
- コーディングで変更された点
- 購入後の保証期間とアフターサービス
あなた自身が車に詳しくて状態の良い車両を見抜けるなら町の販売店から購入した方が安く買えますが、車に詳しくないなら正規ディーラーまたはフランス車専門のショップから買うのがベストです!
2014年以降のルノーは信頼性が高い
日産と業務提携する前のルノーはエンジンやトランスミッションが壊れやすくて走行不能といった大きなトラブルもありましたが、今は日産とほぼ同じ部品を使って組み立てられていますから故障の心配はほぼありません。
ただ部品の共通化が本格的にはじまったのが2014年なので、この年より前に生産された車は故障リスクが高いことを覚えておきましょう!
ルノーをトラブルの心配なく乗りたいなら正規ディーラーで新車もしくは認定中古車を買うのがベスト!
安いからといって年式が古くて整備も十分にされていない車両を買ってしまうと壊れなくても消耗品の交換費用が掛かりますし、維持費が高くついて泣く泣く手放さざるを状況に追い込まれるかもしれません。
もちろん、あなた自身が車に詳しかったり整備士の知り合いがいるなら町の中古車販売店で安く買うのも1つの選択肢です。
気軽にディーラーに行ってみよう
ルノーの車に興味があるけど外車ディーラーに行ったことがない人だと敷居が高くて入りにくいとか高級車で行かないと相手にされないと思われるかもしれませんが、国産車のディーラーと同じような感覚で行けば大丈夫です。
清潔感のあるカジュアルな格好でいけばOK!
近年は試乗車も充実しているので気になる車種があるなら、実際に見て触って試乗をしてルノーの良さを体感してください!