ジープの購入を考えたときに気になるのが故障についてですよね?
アメリカ車は壊れやすいイメージがあるので心配する方は、とても多いです。
そこで当記事ではジープの故障について、他メーカーと比較した故障率や事例などを交えながら解説します。
また安心して乗る方法についても紹介しているので、検討しているあなたはぜひご覧ください!
ジープの故障率はどれぐらい?
ジープの故障率を知るためにアメリカの市場調査会社『J.D.パワー』が公表している、自動車初期品質調査という新車購入から1年間の不具合件数をメーカー別にまとめた結果を紹介します。
各メーカー100台当たりの数値が不具合件数で、少ないほど壊れにくいメーカーです。
自動車初期品質調査はJ.D.パワーが公平な第三者機関として車を購入したユーザーを対象に調査しており、信頼できる結果なのでジープを検討しているなら参考にしてください!
不具合指摘件数は内外装、エンジン、トランスミッションなど以下の計8分野223項目を合わせて総合的に集計しています。
- 外装
- 内装
- シート
- 空調(エアコン)
- 走行性能
- 装備品/コントロール/ディスプレイ
- オーディオ/ナビゲーション
- エンジン/トランスミッション
順位 | メーカー | 不具合件数 |
1 | ジェネシス | 89 |
2 | レクサス | 100 |
3 | ビュイック | 103 |
4 | ポルシェ | 104 |
5 | トヨタ | 113 |
6 | フォルクスワーゲン | 116 |
7 | リンカーン | 119 |
8 | BMW | 123 |
9 | シボレー | 123 |
10 | フォード | 126 |
11 | マツダ | 130 |
12 | キャデラック | 131 |
13 | ヒュンダイ | 132 |
14 | 起亜 | 132 |
– | 業界平均値 | 134 |
15 | アウディ | 136 |
16 | 日産 | 136 |
17 | アキュラ | 139 |
18 | ホンダ | 139 |
19 | ラム | 140 |
20 | 三菱 | 146 |
21 | ミニ | 147 |
22 | ベンツ | 152 |
23 | スバル | 154 |
24 | インフィニティ | 155 |
25 | ダッジ | 158 |
26 | ジープ | 159 |
27 | フィアット | 160 |
28 | GMC | 162 |
29 | ボルボ | 185 |
30 | ジャガー | 186 |
31 | クライスラー | 214 |
32 | ランドローバー | 220 |
出典:2020 U.S. Vehicle Dependability Study | J.D. Power
調査によるとジープは32メーカー中で26位なので、不具合が多い結果になりました。
業界平均値が100台あたり134件なのに対して、ジープは159件です。
同じFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループのフィアットは27位でクライスラーは31位なので、FCAグループは信頼性が低いことが分かりますね。
ジープの故障率が高い理由とは?
では、ジープが壊れやすい理由は何だと思いますか?
その理由について解説します。
他の車よりも多機能だから
ジープはアメリカ陸軍の要請によって開発された車なので、高い耐久性の他に林道や雪道などの悪路走破性能に優れています。
二駆と四駆の切り替えだけではなく、前後のトルク配分を緻密にコンピューターで制御する技術や車両の傾きを補正するヨー修正などが備わっています。
このように、他の車にはない機能が数多く搭載されているため不具合も必然的に多くなります。
日本の軽自動車やコンパクトカーが滅多に壊れないのは、機能が少ないからというのも理由です。
例えばグランドチェロキーは走行モードだけでも5種類ありますし、切り替えるたびにステアリングやサスペンションに電気的な制御が加わるわけですからトラブルが起きやすいことは覚悟しなければなりません。
日本やドイツのメーカーに比べると技術力が低いから
ジープを製造するアメリカのクライスラーは、日本やドイツのメーカーに比べると技術力が低くて、工場の生産管理・品質管理のレベルも低いです。
日本車やドイツ車では当たり前の装備でも、アメリカ車には付いていないことがありますよね?
ボディやインテリアパネルのチリが合っていないなど、雑な部分もちらほら見られます。
例えば日本車だとあらゆる部品がmm単位で品質管理されていますが、アメリカ車だと基準がゆるいんです。
全体的に作りが荒いため、不具合が多い原因となっています。
日本の道路環境に合っていない
日本の信号や渋滞が多くてストップ&ゴーを繰り返す道路環境はジープに適していません。
発進と停止を何度も繰り返すとトランスミッションの動作回数が増えるため、壊れやすくなります。
国産車であればトランスミッションの耐久性に優れているので問題になりませんが、アメ車は日本の道路環境に合わせて作られているわけではありません。
アメリカの道路事情は「信号が少ない」、「渋滞が少ない」、「車線が多い」などの特徴があり、日本と違って車に掛かる負担が少ないですからね。
ジープの故障事例と修理費用
よくある故障事例と修理費用の相場をまとめました。
購入前にあらかじめ知っておくと、壊れたときでも冷静に対処できますよ!
レネゲート・9速ATの不具合
ラインナップの中で最もコンパクトなレネゲートですが、9速の多段ATが採用されています。
常に適切なギアで走ることができるので、低回転で高トルクを出せる優秀なトランスミッションですが、不具合が多いことでも知られています。
- 発進時にギクシャクする
- ギアが変わらない
- 変速ショックが大きい
このような症状が出たら故障する前兆なので、早めにメンテナンスを受けるのがおすすめです。
完全に壊れてしまうと数十万の部品代と修理費用が掛かりますからね。
コンパス・パワーステアリングポンプの異音
コンパスではパワステから「ウィーン」という機械音や「ガタガタ」という異音が発生する不具合があります。
原因は「ホースの亀裂によるパワステオイルの漏れ」や「ベルトの劣化」です。
異音があるのに放置して運転を続けると、パワステの機能が低下してステアリングが重くなり運転に支障をきたします。
「パワステオイルの補充」、「パワステポンプの交換」、「ベルトの交換」により修理できるので慌てずに対処してください。
修理費用は約5万~10万です。
ラングラー・ラジエーターから冷却水の漏れ
エンジンを冷却するラジエーターから冷却水が漏れるトラブルは、ラングラーに限らず輸入車ではよくあることです。
ただし、よくあるからといって放っておいてはいけません。
エンジンが適切に冷やされてないわけですから、オーバーヒートやエンジンブローなど重大な故障の原因になりますからね。
「ラジエーターホース」、「ウォーターポンプ」の劣化による場合は、部品の交換で修理できます。
ラジエーターは社外品も多く発売されているので、修理費用を安く抑えたいなら社外品も検討してください。
修理費用は工賃含めて約3万~8万円です。
チェロキー・シートヒーターが温まらない
冬場には重宝するシートヒーターですが、スイッチを入れて10分以上たっても温まらないときは故障を疑いましょう。
主な原因は2つあり「ヒューズ切れ」、「電熱線の断線」です。
ヒューズを新品に交換して直ればディーラーに行く必要はないので、オートバックスなどのカー用品店でヒューズを購入しましょう。
交換しても直らない場合は、電熱線の断線が原因でしょう。
ディーラーで部品を手配してもらい修理を受けてください。
修理費用はヒューズ交換で済めば数百円ですが、電熱線が原因の場合は数万円は掛かります。
アメ車の弱点である電気系統のトラブルが起きたら、まずはヒューズ交換してみましょう!簡単に直ることも多いですよ!
グランドチェロキー・エアサスが動かない
ラグジュアリーモデルのグランドチェロキーでは一部のグレードでエアサスが採用されています。
ジープとは思えない快適な乗り心地になりますが、やはり故障が多いようです。
- エアサスが動かない
- 停車していると車高が下がる
- 一輪だけ下がる
このような不具合があり走行が難しい場合は、ディーラーまたはロードサービスに電話してレッカーしてもらうのがベスト。
エアサスはサスペンションの他に、ポンプやコンプレッサーなど様々なパーツが組み合わされている複雑な機構なので、修理費用に幅があります。
故障箇所が少なければ約10万、四輪全てが壊れてしまうと50万円以上も請求される可能性も頭に入れておきましょう。
故障・トラブルの心配なく安心して乗る方法
ジープに乗りたいけど、故障が心配なあなたに向けて安心して乗っていただく方法をまとめました!
新車購入時にワランティフォーユープラス(延長保証)に加入する
正規ディーラーで新車を買うと3年間または走行距離60,000kmまでのメーカー保証が付きます。
エンジン/トランスミッション/エアコン/パワーウインドウなどに不具合が見つかっても、無償で修理してくれるので3年間は安心して乗ることができます。
ただ、4年目以降も乗りたいなら新車購入時に「ワランティフォーユープラス」という延長保証に加入しましょう。
新車保証3年と延長保証2年を合わせて5年間は保証ありで乗ることができます!
別途で料金は必要ですが長く維持したいなら、加入するのがおすすめ!
認定中古車(ジープオートエキスパート)を購入する
予算の都合で中古をお探しならの厳しい基準をクリアした認定中古車(ジープオートエキスパート)から選べば間違いありません。
5つの安心ポイントがあり、新車と同じ感覚で乗ることができます。
- 走行距離無制限の2年保証
- 新車登録7年未満
- 走行距離8万km以内
- 約100項目の点検を実施
- 24時間365日体制のロードサービス
個体数は多くありませんが全国47都道府県から取り寄せ可能なので、気になる車両があるならディーラーの営業マンに訪ねてみましょう。
ディーラー以外で購入するときの注意点
町の中古車販売店や外車を幅広く扱う販売店で買うときは、保証内容や期間がお店によって異なるので必ず確認してください。
3ヶ月しか保証が付かないのに1年保証と思い込んで購入する人が多くて、揉め事の原因になります。
また、納車時にタイミングベルト/タイミングチェーン/スパークプラグ/バッテリー/各種オイルなどの消耗品が新品に交換されているか確認することも忘れないでください。
ただ、購入前にチェックしたい項目は多数あり素人では分かりにくいので、必ず販売店の営業マンに納得行くまで説明してもらいましょう。
言葉を濁すような説明をされたなど腑に落ちない点があったら購入を見送るべきです。
特に5年落ちor走行距離50,000km以上の個体は故障リスクが高いので慎重に判断してください!
かっこよくてワイルドなジープに乗ろう!
ジープは徹底した品質管理で作られた日本車やドイツ車に比べると壊れやすいですが、新車で買えば3年保証が付きますし認定中古車は2年保証が付きます。
保証期間内なら壊れてもディーラーで専門のメカニックが無償修理してくれるので、必要以上に心配する必要はありません。
少しでも興味があるなら、まず試乗をしてジープのよさを体感してください!
- アメ車ならではのゆとりあるシート
- 乗り込んだときのワクワク感
- 所有感を満たすワイルドなボディ
- 高い悪路走破性
これらの魅力は実際に運転しないと分かりませんし、他のメーカーでは味わえない喜びがあります。
車をただの移動手段として考える人には向いていませんが、車好きやアウドドア好きの方にはピッタリ!
信頼性は高くありませんが壊れても直すたびに愛着が湧いてきますし、所有して楽しい車であることは間違いないので、ぜひ近くのディーラーを訪れてみましょう!
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